もてぎの棚田から:楽しんで草刈り ソバ打ち交流、思い出に /栃木
オーナーの棚田にも、少しずつ稲穂が出始めた
連日の暑さでようやく稲穂が出始めた茂木町入郷の棚田で7日、オーナーたちによる3回目の草刈りがあった。炎天下のため、作業は約40分で終了。会場を棚田近くの入郷交流館に移し、「入郷産のソバ打ち体験・試食会」がメーンイベントとなった。ソバ打ちには、100人以上のオーナーや家族が参加した。
「たった1時間ほどだが、草刈りは田にとって重要な作業。でも、せっかく遠方から来るオーナーさんたちに楽しんでほしい」。ソバ打ちは、地元農家たちで作る入郷棚田保全協議会が3年前から希望者に企画している。同会のメンバーで、会社員、森島広市郎さん(55)が主催し、毎回、国分寺町から森島さんのソバ打ち仲間などがボランティアで駆けつける。
ソバは協議会のメンバーが育てた約15キロを使った。実費として200円を回収しているものの、製粉にかかる費用などで赤字だ。しかし、森島さんは「オーナーさんたちと楽しく交流できて、何より夏の思い出になる。これからも続けていきたい」と語る。
「この包丁、すごく重たい。お父さんのおソバ、太すぎるよ」。宇都宮市大和、小林広輝君(5)はソバ切り包丁を体験し、試食では「おいしい」を連発していた。
17日に最後の草刈り、そして稲刈りに備えて棚田の水を抜く作業がある。畦(あぜ)作りから始まった作業も、半分の工程が終了した。東京都などから参加するオーナーの中には「天気図でまず、栃木を見るようになった」「茂木の人たちの温かさに打たれ、栃木が好きになった。離れるのがつらい」と話す人もいる。【田後真里】(随時掲載します)
毎日新聞 2005年8月10日
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